12月10日 (日)  聞いてなるほど

今日の法事はご主人が還暦を迎えたばかりで、突然亡くなったお宅の3回忌。
ご主人が亡くなるまで仏壇がなかった新家さんだが、それ以来お寺とのご縁も深まり、休日にある法座には赤ちゃんを連れ家族皆でいつも参られるようになった。

しかも、30代の若いご夫婦はいつも本堂の前列に赤ちゃんを抱きながら、お勤めもご法話も最後までちゃんと参られる。
亡きお父さんの導きのお陰だなぁと、感心している家庭だった。

法事の休憩中、私の前に見慣れないお祖父さんが座って居られたので、
「お嫁さんのお父さんですか?」
と尋ねると。
「はい、一宮に住んでいます」との返事。

話の糸口ができたと
「では、お東のご門徒ですか?」
と質問続行。

「いいえ、加納のZ徳寺で、お西ですわ・・・」
そして、
「元々は駅に近いS浄寺さんのそばで育ちました。門徒は違うけど小学校の頃は欠かさず、S浄寺さんの日曜学校に通っていました」
と、カバンの中からセロテープで張り回した、古い聖典を出された。
「この本でお経を習ったンや・・・」
と、戦前の茶色に変色した聖典を見せ、
「ボロボロやけど、治しながら今も使かッとる」
と嬉しそうに話される。

このお父さんの姿と言葉尻から、お嫁に来てまだ数年の若嫁さんが、若い旦那と赤ちゃんを連れ本堂でお聴聞されるようになった本当の訳がわかった。

この男の子、小学校にあがる頃にはきっと日曜学校に来てくれるようになるだろうと思うと、嬉しくなりお勤めのテンションも上がる良い日曜日だった。

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