9月29日 (金)  良い時間をすごす

今日は我が組の組長さんところの葬儀。97才で往生された前坊守さん、気骨ある明治生まれのありがたい坊守さんであった。
生花と白布で飾られた本堂のあちこちに、まるで日記のように色紙に書かれた法語や詩が張り回ってあった。
このお母さんにして、今の組長さんがあるのだなぁ、としみじみと思った。この厳粛な葬儀の荘厳衆として、背筋をたださずにはおれなかった。

葬儀を終え家に帰り、ご門徒の初七日までかなり時間が空いている。
パソコンの前に座るのも飽いている、力仕事はまだお参りがあるので汗はかきたくない。で考えた・・・

今話題になっている徳山ダムを見に行こう!
カメラをもって走った。
生まれて初めて徳山村に足を踏み入れた。山道を50qほど、1時間くらいで巨大なロックフィルダムが姿を現した。

ダムに水を満ポン張るのに1年半かかると聞いていたが、なるほどダムの上流数百メートルでは綺麗なせせらぎの川、対岸の山のに赤線がひっぱてある、ここまで貯めるのは容易でないことが確かめられた。

湖底に沈む集落の跡はすでになく、はじめてくる者にはサッパリ分からないが、この山と渓に閉ざされた徳山村には、400戸の家があり数百年ずっと変わらず人々の営みがあり、その多くが浄土真宗の門徒であった。
自給自足のような生活であっただろう事は、時々車を止めながら俯瞰する平地や水田の跡がサッパリ見られない景色から想像できる。

根尾のお寺のご院さんから「徳山のご門徒はご法義を大切にしている」という話を聞いたことを思い出し、97才の坊守さんの葬儀の風景と何かオーバーラップし、目先の変化や刺激に左右されない営みの中に、確かなものがあるのだろうと感じることができた。

少し空いた時間、徳山まで走ってきて良かったと、帰りは根尾回りの道で3時間ばかりの良い時間を過ごせた。

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