9月3日 (月)  越後ご流罪

何故か家から遠く離れ朝を迎えるとそれだけで何となくウキウキする。
健康ランドで朝食を取り、北陸道を新潟に向けアクセルを踏む、富山平野を縦断する空き空きの直線道路は爽快だった。

県境を越えた峻険な親不知にさしかかった、H野さんから依頼された、親不知の風景写真を撮ろうと思ったが、測道のない高速道路上では危なくて一時停止もままならず、親不知ICで降りた。
しかし、高所から眺める俯瞰した撮影ポイントが見つからない。
しかたなく、町の観光課を訪れパンフレットに載っているような写真はどこからとったのか聞いて、国道8号線を往ったり来たりしながらなんとか、それらしい風景をゲット。もう少し青空だと◎なのにとも思ったが、雨が降っていないだけましだと言い聞かせた。

凪の日本海を眺めながら国道をゆっくり上越に向かい走る。途中、親鸞聖人が最後に船に乗られたという木浦の西性寺も寄った。
立派なお寺で、ご院さんから謂われも聞いたが、
「どうしてここまで歩いてこられ、後30qばかり船に乗られたんですか?」
と尋ねたら、
「そりゃ、親鸞聖人も親不知子不知の難所を越えお疲れになったんでしょ・・・」
と答えられた。
「はぁ〜」
それは無いだろう。きっと当時流罪の定めで何かしら決まりがあったはずだと思っているだけに、チョット拍子抜けだった。

気を取り直し海岸線を1時間ばかり居多ヶ浜到着。
見晴台の横に上越市が立てた看板があるが、書いてある文言が5年前とは変わっていた。現場に当たっておく大切さを感じつつ、依頼された「片葉のアシ」の写真を真剣に撮った。
写真を撮っている間にも次から次へと観光バスが来て、式章をかけたご門徒さんがウロウロされる。
九州小倉の永?寺の団参は元気が良かった、ゆうべはうなずき温泉、城端の風の盆も見てきたそうだ、そして今日は親鸞聖人ご流罪ウォークラリー頭が下がった。

今は居多ヶ浜・五智国分寺・国府別院などを巡るスタンプラリーが準備されているだけに、何処も前回来たときと多少雰囲気が変わっていた。
国府のあとは越後高田にある浄興寺へ参った、10年近く素屋根に覆われ修復中だったので本堂へ上がったことが無かったが、今回は初めて本堂に上がった、立派である。
下陣の結界の内にはベーゼンドルファーが2台置いてある、お内陣の荘厳も見事だが、コンサートホール用のこのピアノも圧巻だった。
なんでも、コンサート会場に本堂を開放されているらしい、御旧跡由緒寺こういう生き方もあるのだなと、妙に納得。

最後に今回の一番の目的、恵心尼様の廟所へ向かった。
話には聞いていたがあまりの変貌ぶりで目を疑った。かつては田んぼ道を探しながら行ったものだが、至る所に建設省の看板で指示があり、バスの30台は余裕で駐められそうな大駐車場、睡蓮のように池に浮かぶ大きなミュージアムが建っている。
たまたま休館日で中には入れなかったが、レストランまでありそうだった。休館で誰も居ない分カメラを持ってあちこち入ったり登ったり、余分な人物も入らず自由に写真を撮らせてもらった。

いちおう、頼まれた写真はすべてゲットし、長野回りでボチボチ帰ってきた。
24時間で800q13時間程の運転、多少は疲れたが800年前の親鸞様ご流罪に心をはせ、精神的に超リフレッシュできた。

途中、H野さんから携帯に雛あられのような石が出てきたとの連絡、こちらに来る前に石が動き出して本当に良かったと思った。

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