2月28日 (月)  葬儀会場の請負

朝、連絡が入り早速ご当家へ枕経に参上した、お座敷には黒服にネームタグを下げた業者さんが、エアーエッジのアンテナを立てたノートパソコンにモバイルプリンターをつなぎ、俯いて何やらインプット中・・・・

互助会系大手葬儀会社の社員はご当主に「北方斎場はタッチの差で埋まってしまいました、まだ岐阜市街の島斎場なら何とか押さえられそうです」と説明、お寺から車で1分のお宅、北方斎場なら5分、島となると30分以上掛かる・・・・

思わず、「正尊寺の庫裡でしたら・・・・」と声をかけてみた、黒服さんの顔が曇ったのは無視して「○△葬祭さんとこだって、昔は自宅葬してたよね、道具はあるでしょう・・・、ダメなら葬儀屋さんはいくらでもあることだし・・・」と、話を進めると、ご当家は当然の如く近くで出来るならそうしたいという意向で固まった。

かつてはこの地区は自宅か町内の梅英寺(臨済宗)を借りての葬儀、永年付き合った町内の人々に見送られての出棺だったが、ここ数年北方辺りに数軒葬祭ホールが開業すると、一気に様変わりし町内がお取持ちをしないのが当たり前になってしまった。
そうなると、近場のホールから縄張りがどんどん広がり、町内の老人仲間がとてもお参りに行けないような遠い所が会場になったりし、自然と参列者は減り身内だけの淋しいような葬儀になりつつある。

葬儀は亡き人が、有縁の人々に手を合わせ念仏称える後押しをする、仏となっての初仕事ではないかと考える。
だから後に残った者はその働きのお世話をさせて貰う為に、一人でも多くの方に集まって貰わねばならない。

そんな思いを巡らしながら、車で30分先の会場から、徒歩8分の正尊寺へ引き戻す事ができたのも、庫裡が完成していたお陰と感謝した。

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